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各種疾患・治療法

大動脈弁狭窄症の病態と経カテーテル的大動脈弁置換術

①大動脈弁狭窄症の病態について

大動脈弁狭窄症の原因として主に加齢性、先天的要因、リウマチ熱の3つがあげられます。以前はリウマチ熱により発症するケースが多くみられましたが、リウマチ熱に対する治療法が確立されたため、最近では加齢性が最も多い原因であると言われています。大動脈弁狭窄症の症状としては、症状が徐々に進行するため、自覚しにくいのが特徴です。軽度の段階では自覚症状はほとんど見られませんが、病気が進行すると、めまい、息切れ(心不全症状)・胸痛(狭心症症状)などを自覚するようになり、重症化すると失神や突然死を起こすとされております。症状が発現した後の予後は悪く、胸痛が発現すると5年、失神が発現すると3年、息切れなどの心不全症状が発現すると2年といわれています。そのため早期発見、早期治療が大切です。

②大動脈弁狭窄症の3つの治療法について

大動脈弁狭窄症に対する治療法としては、「保存的治療」「外科的治療」「TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)」の3つの選択肢があります。 自覚症状が出現して手術療法が必要となった患者さんにおいて、高齢である場合、既往に心臓の開心手術を施行している場合、あるいは心不全の状態が悪く、手術の危険性が利益を上回る場合、さらに手術への体力が落ちてしまっており手術には耐えられないと判断された患者さんのための治療法です。


③TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)とは

心臓外科手術が困難な大動脈弁狭窄症に対する新しい治療方法です。従来の開胸による大動脈弁置換術(SAVR)とは異なり、カテーテルという管を用いた新しい大動脈弁の治療方法です。TAVIは、高齢で、既往に心臓の開心手術を施行している場合、あるいは心不全の状態が悪く、手術の危険性が利益を上回る場合、さらに手術への体力が落ちてしまっており、手術には耐えられないと判断された患者さんのための新しい治療法です。TAVIには、「経大腿アプローチ(TF)」と「経心尖アプローチ(TA)」の2通りのアプローチがあります。当院は2019年8月30日付で「経カテーテル的大動脈弁置換術実施施設」として認定されました。

<TAVIに用いられる2種類の人工弁>


(バルーン拡張型弁)

(自己拡張型弁)


ハートチームが以下のプロセスで適応に関して詳細な評価を行います。患者さんのTAVI適応判定については、ハートチームで実際に評価し詳細な検討の上で決定されます。

④岡山大学病院ハートチームについて

岡山大学病院のハートチームは、心臓血管外科(外科手術の専門)、循環器内科(カテーテル治療専門、エコーの専門)、麻酔科医に加えて、コメディカルは、臨床工学技士、人工心肺チーム、放射線技師、理学療法士、看護師など総勢20名のハートチームでTAVI治療を担っております。定期的なハートチームカンファレンスを行い、個々の患者さんの治療方針を決定し、その患者さんにもっとも適切な治療をチームで決定してゆく方針をとっております。 岡山大学病院では、高齢の方のみならず、複雑かつ多岐に及ぶ併存疾患を有する患者さんにも安心して治療を受けられるような体制をとっております。

<TAVIが行われる岡山大学病院ハイブリッド手術室>


⑤問い合わせ等の連絡先

<治療の内容に関して>
岡山大学病院 循環器内科 戸田 洋伸
住所:〒700-8558 岡山市北区鹿田町二丁目5番1号 ☎ 086-235-7351(医局)
<外来受診(予約)に関して> 
岡山大学病院 ☎ 086-235-7921(内科外来)


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