岡山大学循環器内科 岡山大学循環器内科
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西原大裕先生の「心臓CTで評価した冠動脈周囲脂肪の炎症と予後に関する多施設共同研究(PCAT-Study)からの論文」がJACC Asiaに掲載されました。

2025.01.21

論文名:Evaluating Pericoronary Adipose Tissue Attenuation to Predict Cardiovascular Events: A Multicenter Study in East Asians

雑誌:JACC Asia. Jan; 5(1): 1-11, 2025

概要:岡山大学病院、香川県立中央病院、岡山赤十字病院、川崎総合医療センターの日本国内4施設で心臓CT検査を受けた2,172名を対象に、冠動脈周囲脂肪組織の減衰値(Pericoronary Adipose Tissue Attenuation: PCATA)が心血管イベント予測に与える影響を評価しました。その結果、追跡期間中央値6年間で33件の心血管イベントが発生し、心血管イベントを発症した患者は有意に右冠動脈のPCATAが高いことが観察されました。また、右冠動脈PCATAの高値は、従来のHisayamaリスクスコアやCT所見を調整後も心血管イベント発生の独立した予測因子であることが確認されました。近年、画像技術の進歩により、CTにおける冠動脈周囲脂肪組織の炎症の可視化・定量化が可能になり、欧米人では心血管イベントとの関連が示されていましたが、アジア人においては明らかではありませんでした。本研究は、東アジア人におけるPCATAの有用性を初めて多施設規模で明らかにし、将来の心血管疾患のリスク層別化における重要性を示しています。

外部リンク:https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacasi.2024.09.009